アルミニウムの鍋の毒性・危険性|アルツハイマー・痴呆との関連性

アルミニウムの鍋の毒性・危険性|アルツハイマー・痴呆との関連性
アルミニウムがアルツハイマー病の原因であると疑われた時期がありました。そのきっかけとなったのが、人工透析患者の認知症(透析脳症)の原因が透析に使用した水道水・薬剤に含まれているアルミニウムであるとする、1976年の海外での研究レポートです。以来、透析脳症とアルツハイマー病が区別されないまま、アルミニウムをアルツハイマー病の原因物質と見なす研究が進み、アルミニウムは危険因子であるという仮説が提唱されるようになりました。
このような国際的な学会の状況が1990年代に入るまで続き、日本でも、90年代後半になって三大紙がその記事を掲載したため、社会の注目を集めるようになります。しかし、その後、アルミニウムの神経毒性とアルツハイマー病の研究が進展するに及び、アルミニウム危険因子仮説は事実上否定された状態となり、現在では、アルミニウムがアルツハイマー病の発症に関与していないことが定説となっています。


アルミニウムは、地球の地殻を構成する元素の中でも、酸素、珪素に次いで3番目に多い元素であるとともに、身近な金属素材として様々な分野で活用されています。また、食物や飲料水に必ず含まれている微量元素であり、私たちは、毎日、微量なアルミニウムを摂取しています。そのため、アルミニウムが人体にとってどのような働きをしているのかは判明していませんが、私たちの体内には常に一定量(35〜40mg)のアルミニウムが存在しているそうです。
国連の世界保健機関(WHO)が定めたアルミニウムの暫定一週間許容摂取量に基づけば、体重50kgの人の場合、毎日14.3mgまでのアルミニウムを摂取しても安全ということになります。国立医薬品食品衛生研究所などの調査によれば、日本人の成人1日当たりのアルミニウム摂取量は、食物から3.5mg、飲料水からはさらに少なく、アルミ製調理器具を常に使用した場合の飲食物へのアルミイオンの溶出量も1日当たり1.68mgと試算されています。従って、アルミ鍋を毎日使用したとしても、総摂取量は WHO の許容摂取量を遥かに下回っている計算になります。安心してアルミ鍋を使ってください。