圧力鍋は爆発する? 鍋の比較と正しい選び方
圧力鍋は、内部の蒸気圧によって蓋が飛ぶ事故がしばしば発生し、死傷者も出ています。また、蓋を開けたときに内容物が飛散するトラブルも多数発生してきました。そこで、2010年には、経済産業省の定める家庭用の圧力鍋・圧力釜に関する技術基準省令が改正され、消費生活用製品安全法の特定製品(特別特定製品以外の特定製品)に指定されました。これによって、現在、国内で販売されている圧力鍋・釜はすべて、この技術基準に適合していることを明示するPSCマークの表示が義務付けられ、PSCマークを表示していない製品の販売は禁止されています。
なお、この法律による「特別特定製品」は第三者機関による適合性検査が義務付けられていますが、「特別特定製品以外の特定製品」はメーカーや輸入・販売業者の自己申告だけで認定を受けることができます。
圧力鍋の蓋には、調理中の内部の蒸気圧を一定に保つために蒸気を排出する調圧弁(圧力調節弁)と、調圧弁が正常に作動せず、内部の蒸気圧が高くなり過ぎたときに蒸気を排出する安全弁(安全バルブ)という圧力調節機能がついています。圧力鍋を使用するときには、取扱説明書に従って弁が正常に作動することを毎回チェックしましょう。また、蓋と鍋の隙間を塞ぐパッキングの経年劣化によって蒸気漏れが起きていないかもチェックしてください。
調圧弁や安全弁は、それ自体の劣化や故障以外にも、間違った使用法で作動しなくなることがあります。調理の際には、次のような安全調理のためのガイドラインに従ってください。
①鍋に入れる材料・水などの量は、鍋の容積の3分の2まで。
②豆類や水分を吸収して膨れる材料は、鍋の容積の3分の1まで。
③以下のような材料・料理は蓋を外して調理する。
・カレー、シチューなど、粘性が強く糊状になるもの
・牛乳のように泡立って膜を張るもの
・練り物が大きく膨らむおでんなど