一生使える鍋の選び方

一生使える鍋の選び方
一生使える鍋の基本条件は、何と言っても「耐久性」に優れていることです。しかし、耐久性という言葉からは、すぐに「堅牢」、「頑丈」といった打撃や衝撃に耐える丈夫さをイメージすると思いますが、鍋に求められる耐久性はそれだけではありません。鍋によっては、琺瑯引(ホーロー引き)やフッ素樹脂加工などの表面加工が施されており、その耐久性も重要です。また、取っ手や蓋のつまみなども破損しやすい部分ですから、その耐久性もまた求められます。
鍋製品の耐久性を知ることのできる実例として、フランスの老舗調理器具メーカー、ル・クルーゼのホームページにある「鋳物ホーローウェア」の説明コピーを抜粋して紹介しましょう。

「本体に鋳物を使用し、複数層のホーローを焼き付けた
ずっしりとした重み、厚みが、ル・クルーゼのおいしさの秘密。」
「優れた耐久性は、世代を超えてご愛用いただけます。」
(ル・クルーゼ/鋳物ホーローウェア ボディコピーより)
このコピーで重要なポイントは、本体が厚みのある鋳物であること、ホーローを複数回焼き付けていること、以上の2点です。そこから、破損しにくく傷付きにくいことが推察できます。このように、製品の耐久性については、メーカーの商品説明をよく読み、耐久性に関する説明の有無とその内容から判断しましょう。


なお、鍋の中には、耐久性の点で勝っているとは言えないものでも、多くの人から一生ものとして大切に使われているものもあります。例えば、銅鍋がその好い例です。鎚目紋(つちめもん)と呼ばれる打ち出しの痕が独特の風合いを醸し出しています。しかし、その銅鍋もいつかは破損・変色し、内側の錫メッキも落ちてしまいます。そのようなときに修理できること、あるいは修理しても使いたいと思える鍋であることも、一生使える鍋としての大切な条件です。銅鍋の場合、使い古した鍋を新品の輝きにまで蘇らせてくれる修理業者が健在です。